#9『パイドン』

プラトンの対話篇を原作とした演劇創作「ソクラテスシリーズ」の3作目。哲学者ソクラテスの死刑執行の1日を、その場に同席
したパイドンという人物が回想し語る、という設定の原作を演劇として立ち上げた。まるで美術館のような空間を演出し、観客は自由な場所、体勢、在り方でこの空間を鑑賞することができる。

来場者アンケートより

  • 観劇の形式としてとても新しくて、自分はどう振る舞おうか?と考える自分がいることに対して悩みながら観劇しました。自分
    の肉体がこの空間に与える影響が少しでもあるのが、没入感を生んでいたと思います。
  • (小道具の)鎖の音は楽しい鈴の音に聞こえたり、苦しみを掻き立てるような音に聞こえたりするんだなと思った。飾ってある
    (キャプション)ボードも美術館の作品紹介と似ていて、そんな説明がされた登場人物をぐるぐる回ってあらゆる角度から見て
    いると、一人で大きな絵と対峙しているような、美術館の作品を鑑賞しているような気分になった。回遊型という特殊な観覧方
    法でなければ味わえない感覚だったと思う。
  • ソクラテスと、弟子たちや友人たちによる降霊、もしくは回想による死者との邂逅。他人の死、自分の死をどう受け入れるか。
    もしくは受け入れないのか。ソクラテスも、死の瀬戸際まで問答を繰り返していたのかもしれない。死後、弟子たちの、妄執的
    に魂から欲するソクラテスとの対談は、彼らがソクラテスを忘れない限りなされるだろう。現代社会へのアンチテーゼとも思え
    たし、私を含む数多の悩み生き続けている人たちに寄り添う作品であると思った。

日程

2024年
8月3日(土)14:00~ / 20:00~
8月4日(日)13:00~ / 17:00~

会場

福岡アジア美術館あじびホール(福岡市博多区下川端町3-1リバレインセンタービル8階)

原作

プラトン

演出・潤色

上野隆樹(Mr.daydreamer)

出演

赤阪陸央
紗羽
古川智恵子(以上、Mr.daydreamer)
古賀駿作(万能グローブ ガラパゴスダイナモス)
千代田佑李(万能グローブ ガラパゴスダイナモス)

スタッフ

制作:Mr.daydreamer
照明:菅本千尋(演劇空間ロッカクナット)
音響:平野美羽(演劇空間ロッカクナット)
映像:上野隆樹(Mr.daydreamer)
衣装:池田千春(NeMo)
広報:野上紗羽
宣伝美術:スタジオぽたみ
撮影・プロモーション:西田珠緒

『パイドン』フライヤー裏